こんにちは。きのひです。
「幽霊宿(ゆうれいやど)の主人(あるじ)」 波津彬子 著 を読みました。
初版発行 1994年6月1日
志桜里(しおり)は花月楼(かげつろう)という宿に一人でやって来た。
「私・・私・・ここでお願いすれば、死んだ人に会えると聞いて来ました」
「お願いです。亡くなった夫に会わせてください」
「あなたはとてもお若いし・・もう会わずにお忘れになって新しい生活を始められた方がいいのではないですか」
「そんな・・・」
「もう一度お考えになって。お気持ちが変わらないようなら会わせてさしあげましょう」
志桜里の気持ちはゆるがなかった。
「明日、彼(か)は誰時(たれどき)になりましたら、宿の西にあります回廊にご案内いたします」
「禊(みそぎ)を済ませておいてください」
「彼は誰時」注釈に「明け方のこと」とありました。
夕方のことかと思ったけど・・
「日本の季節を楽しむ暮らし 暦生活」2022.04.02 「暦とならわし」「かわたれ」
巫女ライター紺野うみさんの記事
「彼は誰時」の意味は、まだ薄暗く、周囲の人や物がはっきりと見えない時間帯のこと。
「多くは、明け方を指して使う言葉です」
これの対となるような言葉が「たそがれ」
「語源は『誰ぞ彼(たれぞかれ)』という言葉です」
「幻冬舎 plus 」2019.05.03公開 「『令和』の心がわかる万葉集のことば」
「かはたれ時――なぜ『白みかけた夜明け前』 上野誠」
「『か』は彼のことで、『たれ』は『誰』です」
人がそこにいることはわかっているのだが、それが誰かわからないという状態をいう言葉。
「したがって、夜明けのほんのり白みかけた時といってよいでしょう。日の出前の時間ですね」
「彼は誰か、よくわからない明るさというところから、その明るさの時間を表す言葉になっているのです」
「かはたれ」は使用されなくなりましたが「誰(た)そがれ」は今でも使われる。
「これは『誰ですか、彼は?』と聞かなくてはならないほどに暗い状態をいいます。夕暮時のことです」
万葉集の時代。
「かはたれ」と「たそかれ」をいいまちがえる人は一人もいなかったんかな。