後悔と生きる

こんにちは。きのひです。

 

「雨夜の星たち」 寺地 はるな 著 を読みました。

2021年6月30日 初版

 

 

 

 

「できないことは、できません」

「やりたくないことも、やりません」

 

 

 

 

こう言ってしまいたくて言えない人は多いんじゃないか。

三葉の「しごと」は「お見舞い代行業」

 

 

 

 


仕事の内容は移動手段のないお年寄りの通院の送迎やお見舞いの代行。

そしてそれに付随するもろもろの雑用。

 

 

 

 

三葉は他人に共感もしないし感情移入もしない。

それを見込まれてこの「しごと」を依頼されることになりました。

 

 

 

 


彼女は「しごと」の初回には必ず説明することがあります。

 

 

「基本的にはあなたが『やってくれ』と言ったことだけをやります」

「あなたがしてほしいことを察して行動するようなことはありません」

 

 

 

 

「『普通はそうするでしょ』というあいまいなルールに従って行動することもありません」

「だからそちらも『こうしてほしいけど図々しいかしら』というような遠慮は一切不要です」

 

「無理なことは断りますが断るのはあなたが嫌いだとかいう感情的な理由ではありません」

 

 

 

 

 


こんな三葉は時に面白がられ時に怒られます。

「建前を言わないのはただ自分が楽をしたいだけでしょ」

 

 

 

 

おばあちゃんが言い放ったこの言葉にあわてるお孫さん。

「あの、怒んないでください。おばあちゃんは・・」

 

 

 

「怒ってはいません。わたしは気にしません」

「楽をしたいだけという自分の感覚がいけないと思わないので」

 

 

 

 

 


そんな三葉の言葉を下の階にいる大家さんは「他人の気持ちを大事にし過ぎている」ととらえています。

 

 

 

「あんたはほんまに他人に関心がないんかな」

「もしかしたら簡単に相手のことをわかった気になりたくない、と思ってるんちゃう?」

 

 

 

 

 


登場人物たちはそれぞれに事情を抱え感情をぶつけあいます。

三葉はそれを「各自の問題」だとわりきっていく。

 

 

 

 

 

「誰でもみんな、なにかしらの後悔はするんちゃう?なにをどう選んでもどっちに進んでも」

 

 

 

 

「やらない後悔よりやった後悔がどうとか誰もが口にする」

「それは誰もがなんらかの後悔とともにしか生きていくことができないということを意味するのではないだろうか」

 

 

 

 

 

この言葉にドキッとしました。

どちらにしようか迷って悩んで決めかねるとき。

 

 

 

 

 

どっちを選んでも後悔しそうなときって確かにあります。

一方に心を残しつつもう片方を選ぶ。

 

 

 

どっちかしかなくあとからその結果を比べることはできない。

 

 

 

 

 

「後悔したくない」ではなく「後悔と共に生きる」と決心してそれを受け止める。

もしそれができればこれまでとは違う人生が歩めそうです。