髪を剃る理由とは

こんにちは。きのひです。

 

「うき世(よ)櫛(ぐし)」 中島要 著 を読みました。

 

2016年11月20日 第1刷発行

 

 

 

 

 

 

 

 

結(ゆい)の父、伊吹(いぶき)市五郎(いちごろう)は東北の小藩に仕える江戸詰め侍でした。

 

けれど天明の飢饉より続いている国元の窮乏を見るに見かね、妻が亡くなった十年前に藩を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

父はその後、代書や写本をして結を養い育ててくれました。

 

だが、ここ数年の不景気でそういう仕事が少なくなり、慣れない人足仕事であっけなく亡くなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ長屋の住人は十五で天涯孤独となった結を憐れんでくれました。

 

泣いてばかりの結に代わって父の葬式を出してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

早桶(はやおけ)に納められた父の頭はきれいに剃られています。

 

亡くなった人の髪を剃るのは、迷わず浄土へ旅立たせるため。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん?

 

なぜ髪を剃るのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「心に残る家族葬」葬儀コラム「江戸時代の葬儀慣習『剃髪して埋葬』と現代にも残る『戒名授与』の関係性」

 

掲載日:2016/07/15 最終更新日:2018/03/27

 

 

 

 

 

 

 

 

「江戸の葬儀習俗の描写の中には、日本葬儀文化史の上からも重要なものがある」

 

「その一つが『男女を問わず人が亡くなると、その故人の髪を剃って埋葬する』という描写である」

 

 

 

 

 

 

 

 

日本式仏式葬儀の様式そのもののルーツは中世の禅宗にまで遡ることができます。

 

この時代、禅宗の宗派の一つである曹洞宗では、独り立ちの僧侶になる前の修行僧が亡くなった際、彼らの志を果してやるため、故人を正規の僧侶としての扱いで弔うしきたりがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

このしきたりを、男女僧侶ではない一般の人々の葬儀に応用したのが日本式仏式葬儀の始まりであり、後に他の宗派も取り入れるようになりました。

 

「ここで、故人に戒名を付けることが採用されるが、この戒名は本来『僧侶としての名前』だったのである」

 

 

 

 

 

 

 

 

つまり日本式の仏式葬儀では、故人は死後に僧侶になったとみなされるわけです。

 

江戸時代には寺請制度によって一般庶民も仏式葬儀を行うようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そのため故人が「僧侶」になったことを示すしるしとして、故人の髪を剃ったり一部切ったりして埋葬する習慣が誕生しました。

 

「この習俗が今も(実際には髪を剃ったり切ったりはせず、ジェスチャーだけの場合が多い)続いている地域や宗派も、実は少なくない」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なお、浄土真宗及び日蓮宗では教義上の理由により、故人の髪を剃ったり切ったりはしなかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

故人の髪を剃る・・

 

いくら死んでからとはいえ、自分の髪を剃られるのはちょっと嫌かも。

 

 

 

 

 

きっと剃る方も嫌・・ですよね。