こんにちは。きのひです。
「 Sabbatical サバティカル」 中村航 著 を読みました。
2019年4月30日 第一刷発行
門前(もんぜん)さんはベテランのエンジニアです。
工作機器メーカー、ベアリングメーカーと転職してきた。
今いる会社の主力商品は、牛乳やジュースなどの飲料を紙パックに無菌充填する機械です。
様々な食品のパッケージング・ソリューションを提供します、と会社の HP では謳っている。
「結局、うちらは機械を売ってるっていうより、二十四時間稼働するプラントを丸ごと売ってるわけだ」
機械によっては三百六十五日、二十四時間フル稼働で、コンマ数秒ごとに商品を生みだしていきます。
つまりそれは、大きなトラブルで機械が止まってしまえば、客先の利益が秒速でこぼれ落ちていくということ。
そんな製品の特性上、エンジニアの職務は厳しくならざるを得ません。
夜中に電話がかかってきて、今から秋田に行ってくれ、などと頼まれることもあるし、休日に呼びだされることも多い。
門前さんはエンジニアの仕事を「基本的には守りの仕事」といいます。
営業をオフェンスとするなら「技術職とか職人ってのはディフェンスだよ」
機械の保守とか修理・メンテナンスってのは本当に最後列のディフェンス。
「おれたちは最後列でイレギュラーに飛んできた球を蹴り返してんだな」
最後列で守るってことは、つまり後ろには誰もいません。
「責任が大きいわりには結局、地味で大変になるでしょ」
「そのぶん他にはない喜びがあるってことを、おれは知ったんだよ」
半年前に長野の工場へ修理に行って現地のエンジニアと徹夜でラインを復旧させたことがありました。
そのときは工場内に拍手が湧いた。
初めて会った人たちと握手を交わし、涙ぐんだ工場長とハグまでしました。
良い仕事だとか嫌な仕事だとか、それを判断するときって、条件とか待遇とか職場の雰囲気とか、そういうことをみんな言う。
「そういうんじゃなくてさ、『頑張ると感謝される』っていう仕事が一番いいなって思うよ」
いまの仕事は現場でダイレクトに感謝されます。
「頑張って上司に褒められるとか、成果の競争で一番になるとか、そういうのじゃない」
「単純に目の前で、喜んでもらえる」
「後工程に感謝されるって構造の仕事が一番いい」