こんにちは。きのひです。
「すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険」 山本健人 著 を読みました。
2021年8月31日 第1刷発行
2021年12月17日 第6刷発行
「心臓が動き、全身を血液がめぐる」
「食べたものが、体を動かすエネルギーに変わる」
たった一つの受精卵が、立派な体に成長する。
親の特徴が、子に遺伝する。
「人体は本当によくできていて、美しく、神秘的だ」
「だがこれらの現象は、自然界で普遍的に起こりうる化学反応の連鎖によるものだ」
何か特別な、目に見えない超自然的な力を信じたくなるほどよくできたしくみが、実は化学や物理の法則によって説明できます。
「医学という学問は、長い年月をかけてこのことを解き明かし、サイエンスの一角を担ってきた」
「意外に知らない目の働き」
目のしくみをカメラにたとえるとフィルムに相当するのは網膜です。
網膜には視細胞と呼ばれる細胞がぎっしり並んでいて、その数は片目だけで一億個以上ある。
この細胞が光の刺激を信号に変え、神経を通して脳に伝えています。
視細胞には、桿体(かんたい)細胞と錐体(すいたい)細胞の二種類の細胞がある。
桿体細胞はわずかな光でも捉えられるため、主に暗い場所の視力を生み出すが、色は識別しません。
一方、錐体細胞は暗い場所では機能しないが、色や形を認識でき、主に明るい場所の視力を生み出す。
「明順応と暗順応」
明るいところから急に暗いところに入ると、最初は何も見えないのに、徐々にものが見えるようになってきます。
「この現象を『暗順応』と呼ぶ」
主に働く細胞が、錐体細胞から桿体細胞にゆっくりと切り替わるのです。
逆に暗いところから急に明るいところに出ると、最初はまぶしくてものが見えにくいが、徐々に普段の見やすさを取り戻す。
これは「明順応」と呼ばれる現象です。
「暗順応と逆の作用が起こっているのである」
明順応と暗順応は、完了するまでにかかる時間が大きく異なります。
「明順応は約五分とすみやかに起こるが、暗順応は三十分ほどかかるのだ」
この興味深い現象を学んで以来、著者はこれを日常生活に生かしています。
それは夜中に尿意を催し、暗い寝室からトイレに向かうとき。
「片目をつむった状態で電気をつけ、一方の目は暗順応を維持したまま、もう一方の目を明順応させる」
「すると、暗い部屋に戻って両目を開けたとき、片方の暗順応が生きているため部屋の中をスムーズに移動できるのだ」
「足元がよく見えなかったために、寝室のベッドに小指をぶつけて痛い思いをすることもない」
ちなみに、アニメや映画で出てくる海賊は、決まって片目に眼帯をしています。
その理由については諸説あるようだが「一説によると暗順応を維持するのが目的なのだそうである」
明るい甲板から暗い船倉に入った際、眼帯をずらすだけで中の様子がわかるというのです。
「明るい場所で作業している最中に突然船倉で戦闘が始まっても、暗順応が生きている片目を使えば困ることはない」
「確かにこれが真実なら、目の特性を生かした便利なテクニックだといえるだろう」
ちなみに一億個以上ある視細胞のうち九割以上が桿体細胞で、錯体細胞は五パーセント程度です。
なんとなく逆かと思ってました・・