こんにちは。きのひです。
「仕事は楽しいかね? 新版」 デイル・ドーデン 著 野津智子 訳 を読みました。
発行日 2025年5月9日 第1版 第1刷
吹雪で閉鎖された空港で、謎めいた老人マックスに出会った主人公は、人生を変える一晩の講義を受けます。
「僕がいままでに掲げた目標が一つだけある。聞きたいかね?・・・」
「『明日は今日と違う自分になる』だよ」
変わり者の老人は発明家、起業家として大変な成功を収めたマックス・エルモアでした。
彼は大勢の実業家や政治家が友人だと考えている人物だった。
「ベルクロ(面ファスナー)がどうやって発明されたか知っているかね」
1940年代のスイスでの出来事でした。
ジョルジュ・ド・マエストラルという男が自宅へ向かって森を歩いていた。
家に着いた彼は、ウールのズボンの裾にオナモミの実がくっついているのに気がつきました。
それを一つひとつ手でむしり取っているときにふと思った。
「『オナモミはいったいどんなふうにして、こんなにしっかりズボンにくっついているのか』とね」
顕微鏡でトゲトゲの実を見てみると、この実は小さな鉤(かぎ)の球だということがわかりました。
実の鉤が、ズボンの糸の輪に引っかかっていた。
ジョルジュ・ド・マエストラルは布を使って、オナモミの構造の再現に取りかかりました。
試作には何年もかかったが、ついにオナモミと同じことができるようになった。
彼はこの新製品の商標をベルクロ( velcro )にしました。
それはフランス語の2つの単語「ベルベット」を表す velour と「鉤」を表す crochet の第一音節をとってつけた名前だった。
「じゃあ、質問だ。ジョルジュ・ド・マエストラルは問題を解決したかね?」
「ズボンの裾からオナモミを取るという問題は解決できませんでしたね」
みんなよく「問題はチャンスだ」と言っている。
「たいていの場合、その意味は『問題というのは、自分がうまくそれに対処できることを示すチャンス以外の何ものでもない』」
問題に取り組んだり克服したりして、それを解決しようとする。
「だけど、ミスター・ベルクロはオナモミの問題を解決せず仲良くなった」
つまり彼は問題と仲良くなり、その結果、問題は問題じゃなくなったわけです。
「けれど、考えてみてほしい」
「何年もかけてオナモミの仕組みを再現しようとしたジョルジュ・ド・マエストラルを、どれほど人々が馬鹿にしたに違いないか」
「覚えておいてくれ」
「『試すことは簡単だが、変えるのは難しい』ということを」