こんにちは。きのひです。
「薬も過ぎれば毒となる」 塔山郁 著 を読みました。
2019年5月24日 第1刷発行
神楽坂(かぐらざか)のホテル・ミネルヴァに勤める水尾爽太(みずおそうた)はその日、風花(かぜはな)という喫茶店にいました。
ナポリタンが美味(おい)しいという噂(うわさ)を聞いて一人で昼休みにやって来た。
午後一時を過ぎていたが、店内はまだ混んでいました。
空いていた窓際の席に座り、ナポリタンとコーヒーのセットを注文する。
時間つぶしにスマートフォンを見ようとポケットに手を入れました。
しかしそこには何もない。
どうやら仕事場に忘れてきたようです。
手持ち無沙汰(ぶさた)にしていると隣のテーブルの会話が耳に入ってきた。
若い女性の二人連れが退職する同僚に贈る餞別(せんべつ)について話しています。
「花束を渡すのは当然としてそれ以外にも何かを贈りたい」
「ブランド物の文房具なんかどうかしら」
「仕事を辞めて家庭に入る人に文房具を贈るのは変じゃない」
「可愛いマグカップとか食器とかは」
「無難だけどありきたりかな」
「スイーツは?普段買わないような高級チョコレートを贈るとか」
「彼女、たしか甘い物が好きじゃないはずよ」
「ハーブティーとかは?カフェインも含まれてないし」
「『聖ヨハネの草』と呼ばれているハーブがあるのよ」
そのハーブはヨーロッパで古くから万能薬として崇拝されていたらしい。
効果が一番高まるのは夏至の前夜で、その日に摘んだものは特別の魔力を持って、一年間病気や死の恐怖から解放されるという伝承があると書いてあります。
「女性は一年以内の結婚や出産が叶えられるとか」
「当時は年頃の娘が必死になって探しまわっていたそうよ」
「まあ、これならいいかしら」
「でも、そんな効き目があるのなら彼女じゃなくて、私たちこそそのハーブティーを飲むべきじゃない」
「言われてみたら、たしかにそうね」
二人は顔を見合わせると、楽しそうにケラケラと笑いました。
「nahrin 」ST.JOHN’S WORT 「セントジョーンズワート」
二人が話していたハーブはセントジョーンズワートのことでした。
和名はセイヨウオトギリソウ。
香りは温かく甘いフローラル系で緊張をほぐし、落ち込んだ気持ちを元気にしてくれる効果があるとされています。
ヨーロッパやアジア原産の多年草で、レモンに似た香りの可愛らしい黄色い花を咲かせる。
「6月24日の聖ヨハネの日( St. John's Day )の頃までに花が咲き、伝統的にその日に収穫されたことからこの名前がついたと言われています」
薬用植物としては非常に古い歴史をもつセントジョーンズワート。
ドイツでは軽度のうつへの効果があるメディカルハーブとして愛用されており、アメリカでは「サンシャインハーブ」「ハッピーハーブ」などと呼ばれ、気分を安定・向上してくれるサプリメントとして親しまれています。
「ただし使用するにあたり、注意点として一番気をつけなければならないのが他の薬剤との相互作用がある点です」
多くの医薬品の添付文書に併用注意として記載されている「セイヨウオトギリソウ含有食品」とはセントジョーンズワートを指している。
また「従来の抗うつ薬より副作用は少ないとされていますが、妊婦や子どもに対する安全性は確立されていないため服用には注意が必要です」
厚生労働省「『統合医療』に係る情報発信等推進事業」「セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)」
「セントジョーンズワートは非常に多くの薬と相互作用するので利用している場合は今かかっている医療機関に伝えることは重要です」
「セントジョーンズワートとの相互作用により、命を救う薬の効果が弱まったり、危険な副作用が出たりすることがあります」
薬をのんでるならハーブやサプリにも気をつけないといけないんですね。
これさえのめばハッピー、なわけないですもんね・・