こんにちは。きのひです。
「お稲荷さんのすごいひみつ 一生守ってくれるありがたい神様」 桜井識子 著 を読みました。
令和5年10月6日 第1刷発行
令和5年10月23日 第3刷発行
「お稲荷さんの参拝に関して、皆様が『ん?』と疑問に思うことがないようにした、お稲荷さんづくしの1冊です」
「どのお稲荷さんにも素敵な個性があって、知れば知るほど参拝するのが楽しくなると思います」
巻末にキツネつながりで「桜井識子バージョン『ごんぎつね』」があります。
人間に仲間を殺されてひとりぼっちのごん。
キツネに意地悪な人間を懲らしめてやりたいという気持ちもあって里で時々イタズラをしていました。
ある日、降り続いた雨で村の川が増水していた。
川べりを歩いていたごんは兵十を見かけます。
兵十は苦労してウナギをつかまえようとしていた。
ようやくつかまえたウナギと数匹の魚の入ったびくをごんはからっぽにしてしまいます。
「こらぁ!このドロボーギツネめ!」
10日ほどして村におりたごんは兵十の家で葬式をしているのを見る。
それが兵十のおっかあの葬式だと知ってごんは反省します。
しんみりとした気持ちになったごんは、栗やまつたけなど山の幸をせっせと兵十のもとへ持って行くようになりました。
それを兵十に見つかりごんは火縄銃でうたれてしまう。
外して撃つつもりだった兵十は「すまねぇ」とごんを抱きかかえます。
そこから土間にたくさんの栗やまつたけがあるのが見えました。
「今までの恵みはお前だったのか!」
ごんは死に際に兵十を許し友達を殺した人間を許し、その魂は天国へ駆けのぼって行った。
ごんの心は許すことで安らかに軽くなりました。
「許すっていうのは『自分を救う』」
でも兵十は・・・
一度は獲ったと喜んだウナギを逃がされておっかあに食べさせてあげられなかった(たぶん)
食べさせてあげられないままおっかあは死んでしまった。
だれからともわからない山の恵みが与えられるようになりありがたくも嬉しかった(たぶん)
その恵みを与えてくれていた方を自分が殺してしまった(しかも過失で)
兵十には後悔と悲しみしか残らないのではないでしょうか。
同じ独りぼっちの状態でもちょっと嬉しいことがあって上げられてより深く落とされた、みたいな。
兵十に栗やまつたけを持ってくるようになったごんの心境としては
「兵十になら殺されても仕方ないことをやってしまった自分」みたいなものがあったんではないか。
そこに「子ギツネだった自分をいじめた人間」に対するような恨みや怒りはない気がします。
でも兵十はそれこそ悪いことは何もしていない。
ただ、ごんの前でウナギをとってただけ。
それを単なるイタズラで逃がされておっかあにも食べさせることができませんでした。
その上、栗とかまつたけを持ってきてくれていた恩人(恩ギツネ)を殺してしまって後悔してる。
兵十の心境を思うとなんだかやりきれない。
でも、ごんは主人公だからいいんでしょうか。
たしかに題名が「兵十」だと「ごんぎつね」ほど売れなかった気もする。