こんにちは。きのひです。
「雨柳堂夢咄(うりゅうどうゆめばなし) 其ノ八」 波津彬子 著 を読みました。
2007年10月1日 新版第1刷発行
蓮(れん)は雨柳堂で片づけを手伝っていました。
そこは蓮のおじい様が店主である骨董屋。
「あ・・!指輪?」
床におちてきたのはキレイな石のついた指輪でした。
「ふうん翡翠(ひすい)か・・」
そこへ「ごめん下さい」と女性が来店してきた。
「私、捜し物があって参りましたの」
「その指輪は私の物です」
するとその女性の背後から「ほほほほ・・」という声。
「あっ あんたは・・」
「それはわたくしの指輪です。妾(めかけ)のくせに図々しい。立場をわきまえなさい」
「失礼ねっ これは旦那様が私のために誂(あつら)えた物よ」
そこへ「おやまあみっともない。お兄さんには迷惑だわねえ、あれじゃ」と3人目の女性があらわれます。
「あたしは深川(ふかがわ)でちょっとは名の知られた芸妓(げいぎ)ですけど、その指輪の本当の持ち主なんですよ」
「だからその指輪をあたしに・・・」
「おまちなさいっ」
「横合いから出て来て勝手な事言わないでよっ」
「何ですか、あなたは」
「あら奥様。こんな形であいさつする事になっちまって」
「あたしはご主人にちょいと世話になっていた者です」
指輪をめぐる言い合いを聞いていると3人とも実体がない妄執(もうしゅう)のようだ。
「みなさんのおっしゃる事はわかりました。ではこの石の方から本当の持ち主のところに行ってもらいましょう」と蓮は言いました。
「え?」
「みなさん翡翠という鳥をご存じですか?」
「日本の季節を楽しむ暮らし 暦生活 2020.11.30 翡翠 かわせみ」
和暦研究家の高月美樹さんによる記事です。
「私は日常的にカワセミが見られる場所に暮らしています」
「鳥の名前の方が先なのだそうです」
羽はまさにラピスラズリを思わせる見事なコバルトブルーです。
背中にはひとすじ明るいライトブルー。
「このライトブルーは光を反射する構造色だそうで、眩しいほど輝いてみえます」
構造色というカテゴリーがあるんですね。
「目に見えるいきもの図鑑」さんに「構造色の意味」がありました。
「(主にいきものの体の)微細な構造が光の波長を分光し特定の色のみを反射することでおきる現象」
カワセミやタマムシの美しい色は色素によるものではなく、構造色によるもの。
色素と構造色の違いは吸収と反射の違いです。
色素は特定の色以外を吸収することによって色がついているのに対し、構造色は特定の色を反射することで色がついている。
「無生物でも、シャボン玉の表面が虹色に輝いて見えるのは構造色」
構造色・・それを使うことが出来れば色素とは違う表現ができそうですね。
楽しい画とか描けそう。