広い範囲の視聴者に向けて

こんにちは。きのひです。

 

「ブロードキャスト」 湊かなえ 著 を読みました。

令和3年1月25日 初版発行

 

 

 

 

 


中学時代、駅伝に打ち込んでいた町田圭祐(まちだけいすけ)はあと一歩のところで全国大会を逃した。

陸上強豪校に進学を決めますが交通事故に遭い陸上部入部を断念します。

 

 

 

 

 

 

 


目標を失っていた圭祐に入学式で声をかけてきたのは同じ中学だった宮本正也(みやもとまさや)だった。

「町田は部活、もう決めた?」

 

 

 

 

 

 

 


「俺はさ、入りたい部活があるんだ」

「そのためにこの高校を受けたようなものだし」

 

 

 

 

 

 

 

 

それは放送部でした。

「俺は脚本家を目指しているんだ」

 

 

 

 

 

 

 


町田にとって脚本家とはドラマや映画の脚本を書く人だというくらいの認識でした。

本を書くのなら文芸部ではないか。

 

 

 

 

 

 

 


「いや放送部なんだ」宮本は放送部の部活勧誘のチラシを指さした。

「作品制作」という項目があります。

 

 

 

 

 

 

 


「この作品というのはドラマのことなんだ。ラジオやテレビの」

「なるほど」

 

 

 

 

 

 

 


町田のなかでようやく脚本家と放送部が繋がりました。

宮本は語りつづけます。

 

 

 

 

 

 

 


「今まで町田とあまりしゃべったことなかったから自信なかったけど今日話しているうちに確信したよ」

「おまえの声って、ホントいいよ」

 

 

 

 

 

 

 


「町田の声は俺の理想の声なんだ!」

「町田、一緒に放送部に入ろう!」

 

「俺の作るドラマにはおまえの声が必要なんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天才英単語」さんによるとブロードキャスト broadcast は「放送する」や「伝える」を意味する単語。

「この言葉は特にテレビやラジオなどのメディアを通じて情報やエンターテイメントを広く提供することに関連しています」

 

 

 

 

 

 

 


情報を広く行き渡らせる行為全般に用いられることもある。

名詞として使われる時は「放送」や「放送された内容」を指します。

 

 

 

 

 

 

 


比喩的な用法として「意見を broadcast する」といった場合、情報や意見を積極的に広めることを意味する。

語源は「 broad 」と「 cast 」という二つの単語からきています。

 

 

 

 

 

 

 


「 broad 」は「広い」という意味を持ち「 cast 」は「投げる」または「散らす」という意味を持つ。

「元々は農業用語として使用されていました」

 

 

 

 

 

 

 


農夫が種を「広く」撒くことを指しその行為が「 broad casting 」と呼ばれていた。

このように種を広範囲に散布することから派生してラジオやテレビの放送に使われるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 


つまり情報やエンターテイメントを広い範囲の視聴者に向けて「投げる」ことを表す用語として進化した。

類語として「 announce 」という言葉もあります。

 

 

 

 

 

 

 


「 announce 」は特定の情報を公に伝えることを指す。

 

「 broadcast 」がメディア全体に広がることを強調するのに対し「 announce 」は具体的な内容を知らせることに焦点があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

それにしても「広く投げる」が「 broad cast 」

思いついた人すごいです。