地蔵菩薩

こんにちは。きのひです。

 

「眠れない凶四郎 二」 風野 真知雄 著 を読みました。

2019年4月10日 第1刷

 

 

 

 

 

 


南町奉行所定町(じょうまち)回り同心の土久呂凶四郎(どくろきょうしろう)は夜回り専門で江戸の町を探索している。

今日は下っ引きの源次(げんじ)と浅草から下谷(したや)にかけて回る予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

浅草橋から御厩河岸(おうまやがし)の渡しがあるあたりまで来たとき源次が言った。

「そういえば、さっきここらで面白い男を見ました」

 

 

 

 

 

 

 

 

「面白い男?」

「重そうになにかを背負っている男がいましてね」

 

「見ると石のお地蔵さんでした」

 

 

 

 

 

 

 

 

「石屋か?」

「あっしもそう思ったんですがすでに摩耗した古いお地蔵さんだったんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わざわざ呼び止めて訊くほどのこともないと思って通り過ぎたのですが、いま考えるとやっぱり変ですかね?」

「ふうむ。地蔵を使った悪事というのも思い浮かばねえな」凶四郎は苦笑しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吾妻橋(あづまばし)の手前までやって来た。

花川戸町(はなかわどまち)の町並みに入ろうとして「おい、源次」凶四郎は目を瞠(みは)りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜道に子どものような影が並んでいる。

影はぴくりともしません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地蔵でした。

それも六体並んでいる。

 

大きさに若干のばらつきはあるがどれも凶四郎の膝の高さくらいのものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「なんのつもりだろう?」

ふと通りを見ると坊さんが通りかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちと、お坊」凶四郎は声をかけました。

「これはなんなのでしょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僧侶は一度、地蔵たちに手を合わせ六体をしげしげと見ました。

六地蔵信仰というものがある」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「東京都産業労働局 TOKYOイチオシナビ」さんに「六地蔵」とありました。

六地蔵は1707(宝永4)年に小金井村の念仏講が『二世安楽(にせあんらく・現世と来世が安楽となること)』を願って建立したもの」

 

 

 

 

 

 

 

 


仏教では人間が死んだ後、生前の善行や悪行によって行く先が六道(りくどう)に分かれるとされています。

「地獄」「餓鬼(がき)」「畜生」「修羅」「人間」「天」

 

 

 

 

 

 

 

 


六地蔵はそれら六道における苦しみを救う6種類の地蔵菩薩のことを指す。

それぞれの地蔵は檀陀(だんだ)、宝珠(ほうじゅ)、宝印、持地(じじ)、除蓋障(じょがいしょう)、日光といいます。

 

 

 

 

 

それら六地蔵の石像の形は様々で、6体の石像が横に並べられたものもあれば1つの石塔に6体の地蔵のレリーフが刻まれたものもある。

六地蔵は各地で地名の由来になっており京都府宇治市や愛知県岡崎市では「六地蔵」という地名が今も使用されています。

 

 

 

 

 

 

 

 


6つの地蔵はそれぞれ印相や持ち物に違いがある。

平塚市博物館さんによると、一般的に江戸時代の六地蔵

 

1.念珠

2.右手は施無畏印、左手は引摂印

3.合掌

4.右手に錫杖、左手に如意珠

5.柄香炉

6.幢幡

 

この組み合わせが多いとされています。

 

 

 

 

 

 

 

 

地蔵の正式名は地蔵菩薩

お地蔵さまは仏様、なのですね。

 

それって常識・・・ですか