おりひめとひこぼし

こんにちは。きのひです。

 

「宵闇迫(よいやみせま)れば」 風野 真知雄 著 を読みました。

平成二十一年十二月二十五日 初版発行

平成二十五年六月十日 九版発行

 

 

 

 

 

織江は桜田御用屋敷のくノ一。

母の雅江もくノ一で「天守閣のくノ一」とよばれていた。

 

天守閣のくノ一」とはお城の天守閣にも忍び込めるほどの優れた女忍者ということです。

 

 

 

 

 

 

それほどの母娘にとってもくノ一は過酷で汚辱にまみれた仕事でした。

織江が恋をしてしまったのをきっかけに二人は「抜け忍」になる道を選んだ。

 

 

 

 

 

 

 

御用屋敷からの追手と壮絶な戦いをくりひろげた母は頭領に斬り捨てられて死んでしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

織江はそのことを知らなかった。

でも母は待ち合わせの場所に来ませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

手配していた隠れ家でいつまで待っても来る気配はない。

「なんだよ、母さん」

 

 

 

 

 

 

 

織江は隠れ家で二階の窓にもたれ夜の雨を眺めていました。

雅江が死んだのは間違いない。

 

織江はこのところ毎日、酒におぼれていました。

 

 

 

 

 

 

 

今日は七月七日。

織姫と彦星が年に一度逢うと言われている日。

 

 

 

 

 

 

 

地球から織姫の星までの距離はおよそ二十五光年。

地球から彦星までの距離はやや近く十七光年ほどです。

 

 

 

 

 

 

 

肝心の織姫の星と彦星とのあいだの距離はおよそ十五光年。

真ん中あたりで会うとしても七、八光年はかかります。

 

「だから織姫と彦星が年に一度逢うというのは、もともと無理な話なのである」

 

 

 

 

 

 

 

そういえばこれってもともとどんな話なんだっけ。

「えんむすびの神社 京都地主(じしゅ)神社」さんに「七夕ストーリー」がありました。

 

 

切ない恋の物語。

 

 

 

 

 

 

夜空にキラキラきらめく天の川のほとりで天の神さまの娘「おりひめ」が世にも美しいはたを織っていた。

その布は五色に光り輝き、季節ごとにいろどりまで変わるというそれはそれは美しいもの。

 

天の神さま自慢の娘です。

 

 

 

 

 

 

 


おりひめははたを織るのに一生懸命で自分の髪や服をかまおうともしません。

そんな姿をかわいそうに思った天の神さまは「おりひめにふさわしいむこを探してやろう」とあちこちみてまわった。

 

 

 

 

 

 

 


すると「ひこぼし」という若者が天の川の岸辺で牛の世話をしていました。

牛の世話をしたり畑仕事に精を出したり休む間もなくまじめに仕事をしている。

 

 

 

 

 

 

 

天の神さまはひこぼしを選びました。

おりひめとひこぼしはお互いにひとめで好きになりとても仲の良い夫婦になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそれからというもの二人は遊んでばかりでちっとも仕事をしようとしません。

はたおりの機械にはほこりがたまり、ひこぼしの牛はえさをもらえずにだんだんやせてきた。

 

 

 

 

 

 


天の神さまが注意しても二人は「わかりました」と返事するだけでまったく仕事をしようとしない。

ついに天の神さまはおりひめを天の川の西へ、ひこぼしを天の川の東へと引き離してしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

お互いの姿を見ることさえできなくなった二人は泣き暮らしてますます仕事をしなくなった。

困った天の神さまは二人に言いました。

 

「おまえたちが前のように毎日まじめに働くのなら一年に一度だけ会うのを許そう」

 

 

 

 

 

 

 

こうして七月七日の夜になると二人は会えるようになりました。

しかしその日に雨が降ると川の水かさが増して川を渡ることができない。

 

 

 

 

 

 

 

するとどこからかカササギという鳥の群れがやって来る。

天の川のなかに翼を連ねて橋となり二人を会わせてくれるのでした。めでたしめでたし

 

 

 

 

 

 

 


これって冷静に見ると・・・ちょっとビミョーな話でした。